ダニ避けと撃退。寄せつけないための工夫
ダニの撃退方法をどう組み立てるか
ダニの撃退方法は、追い払う手順ではなく、数を減らす手順で組み立てます。蚊やゴキブリなら、家の外から入ってくるところを止める発想が働くでしょう。屋内のダニは事情が違い、すでに寝具や畳の中で世代を重ねて暮らしています。つまり撃退の相手は、外から来る訪問者ではないのです。家の中で生まれ育った住人だと考えると、手順が決めやすくなります。
組み立ての順序は3つです。最初に餌となる皮膚のかけらやほこりを減らします。次に、熱や洗濯でいま生きているダニの数を落とす段階へ進むのです。最後に、死骸とフンを掃除機で吸い取ります。6畳の寝室なら、布団と床だけで30分ほどの作業になることが多いようです。
この3段階を1日でやり切る必要はありません。週末に寝具、平日の朝に床という具合に分けて進めてください。全体の手順は、家庭でのダニ駆除の基本にまとめました。ここでは、寄せつけないという言葉との付き合い方に絞ってお伝えします。
ダニよけと呼ばれる方法の中身
ダニよけと呼ばれる方法の多くは、ダニを遠ざける力を一時的に借りるものです。香りの成分や忌避剤は、ダニが近づきにくい場所を作ると言われています。ただし、その場所を離れたダニが家の外まで出ていくとは限りません。布団の右半分が苦手になれば、左半分や畳の隙間へ移るだけの形になりがちです。餌と湿気が残っている限り、香りが薄れたころに元の場所へ戻ってきます。
誤解されやすいのは、ダニよけを使えば数そのものが減るという受け取り方でしょう。実際には、いま生きているダニの数は、遠ざけただけでは変わりません。蚊やゴキブリは外から入る虫ですから、入り口で止める考え方がよく効きます。屋内のダニは、もともと家の中で暮らす相手だという点が違うのです。
ですから、ダニよけは対策の入り口としては働いても、仕上げにはなりません。香りの選び方や注意点は、ダニが嫌いな匂い、ハッカ油と香りの使い方で詳しく書いています。この記事では、香りに頼らず住みにくくする方向へ話を置き直しました。
ダニの対処法を場面ごとに決める
ダニの対処法は、場所ごとに分けて決めると迷いが減ります。寝具、布のソファ、畳、押し入れでは、たまる餌も湿気の量も違うのです。同じやり方をすべての場所に当てはめると、手間ばかり増えることがあります。寝具は、寝ている間の汗と皮膚のかけらが毎日入り込む場所です。カバーとシーツを週に1回洗い、掛け布団は月に1回ほど日に当ててください。
布のソファは、座る場所に食べこぼしが落ちやすい家具になります。週末に一度、座面のすき間を細い口の掃除機で吸うのが向いた形です。畳は、湿気がこもると数が増えやすい場所だと言われています。晴れた日に窓を2箇所開け、風の通り道を作ってください。押し入れは、閉め切ったままだと空気が動きません。月に1回は戸を開け、中の荷物を少しずらすと空気が入れ替わります。
製品としての忌避剤をどこまで頼れるかは、ダニの虫除けと忌避剤、寄せつけない工夫の考え方で整理しました。場面ごとの手当てを重ねるほうが、ダニの住みにくい家に近づく道です。
続けられる範囲にとどめる
続けられる範囲を先に決めておくと、対策が途切れにくくなります。毎日布団を干し、毎日掃除機をかける形は、長くは続かないでしょう。週に1回のシーツ交換と、週に2回の寝室の掃除機がけで足りている家庭も多いようです。
続ける負担を下げる方法として、布の量を減らす手があります。使っていないクッションやぬいぐるみを寝室から出すだけでも、手入れの面積が減るのです。ぬいぐるみが10体並んだ棚は、そのぶん洗う対象が10個あるという意味になります。寝室に物を持ち込みすぎない形にしておくと、掃除の時間が短くなるでしょう。カバー類の交換を曜日で決めてしまう方法も、負担が軽くなります。日曜の朝はシーツ、というように暮らしの流れに乗せてください。
かゆみやくしゃみが続く場合は、住まいの手入れだけで判断しないほうが安心です。症状が長引くときは、皮膚科や内科で医師に相談してみてください。完全に寄せつけない状態を目指すより、住みにくい状態を保つほうが現実的です。半年続いたやり方は、来年の梅雨にもそのまま使えます。