ダニは何度で死ぬのか。熱湯と熱に弱い性質の使い方
熱湯をかけられるものと避けたいもの
熱湯を使えるのは、丸洗いできて早く乾く布に限られます。枕カバー、シーツ、ハンカチ、手のひらに乗る小さなぬいぐるみが、その代表です。どれも洗い桶やシンクに収まり、脱水してその日のうちに乾かせる大きさでしょう。
逆に、布団やマットレスへ熱湯をかけるのは避けてください。中綿はいちど水を吸うと、天日に干しても芯まで乾くのに何日もかかります。生乾きの時間が長引けば、湿気がこもってカビのもとになるのです。ダニを減らすつもりが、かえって育ちやすい寝床を作ってしまいます。
ソファや敷いたままのカーペットも、同じ理由で向きません。濡らすと床材との間に水が残ります。木の床や畳を傷めることもあるため、水を含ませない手段を選びましょう。
素材の耐熱性も先に確かめてください。洗濯表示に低い水温の指定があるものは、熱湯で縮んだり色が移ったりすることがあります。ウールや絹、接着芯を使った小物は、形の変わりやすい部類です。迷ったときは、目立たない部分で少しだけ試すと判断しやすくなるでしょう。家全体の進め方はダニ駆除の基本、家庭でできる退治の手順で扱っています。熱湯は、その中の一手段という位置づけです。
ダニは熱に弱いという性質をどう使うか
ダニが熱に弱いという性質を使うには、熱を布の芯まで届かせ、そのあと確実に乾かします。途中で止めると、湿気だけが残る結果になりかねません。
はじめに、耐熱性のある洗い桶を流し台へ置き、動かない状態にします。沸かしたお湯は運ばず、その場で注ぐのが安全です。やかんを持って部屋を移動する動作に、やけどの危険が集まります。小さな子どもやペットが近くにいる時間帯は行わないでください。
次に、布を沈めてお湯が全体に回るようにします。折りたたんだままでは、内側までお湯が届かないことがあるのです。何分あてれば弱るのかという目安は60度のお湯で何分あてればよいかにまとめました。ここでは手順として、広げて浸すという一点だけ押さえてください。
3つ目は、冷めるのを待つ工程です。絞る作業は必ずお湯が冷めてから行い、熱いうちに手を入れないようにします。洗濯機の脱水を使えば、手を濡らさずに水を切ることができるでしょう。
最後が乾燥です。風通しのよい場所へ広げ、その日のうちに乾く状態を作ります。濡れたまま畳んで置けば、湿気がこもって逆効果です。
乾燥機やアイロンで温度を届かせる
多くの場面では、熱湯より乾燥機やアイロンのほうが現実的な手段になります。水を含ませずに熱だけを届けられるため、乾かす手間がかからないのです。
家庭の衣類乾燥機は、庫内が高い温度に保たれます。洗濯のあとそのまま入れられるので、枕カバーとシーツの手入れが1つの流れで済むでしょう。コインランドリーの大型機なら、家庭では扱いにくい厚手のものも入ります。持ち込む前に、乾燥機にかけてよい表示かどうかを確かめてください。
アイロンは、狭い範囲へ熱を集めたいときに向いています。当て布をして少しずつ位置をずらす方法が基本の形です。スチームを使うと布が湿るので、そのあとの乾燥までを一続きにしてください。当て方の細かい点はアイロンとスチームで熱を届かせる方法で詳しく書いています。ここでは、熱湯と比べた使い分けだけをお伝えしました。
ぬいぐるみのように洗いにくい小物も、乾燥機の低い温度設定で対応できることがあります。型崩れが心配なら、洗濯ネットに入れて短い時間から試すのが安全な形です。
熱が届かない場所への対応
熱湯も乾燥機も使えない場所は、湿気を減らす方法と、取り除く方法で対応します。カーペット、ソファ、畳、マットレスが、その代表的な相手でしょう。厚みがあって熱が芯まで届かず、水を含ませると乾きません。
まずは風を通し、室内の湿った空気を入れ替えます。晴れた日に窓を2か所開けると、空気の通り道ができるのです。除湿機やエアコンの除湿運転も、同じ働きをします。洗濯物を室内に干した日は、湿気がこもりやすい時間帯だと考えてください。
そのうえで、掃除機をかけて死骸とフンを取り除きます。熱を当てた布も同じで、弱ったダニの体やフンはその場に残るのです。洗えるものは洗濯へ、洗えないものは掃除機へ回すと整理しやすいでしょう。ヘッドをゆっくり動かすほど吸い込みやすく、往復を重ねると取れる量が変わります。家具の下や部屋の隅は、後回しになりやすい場所です。
手入れを続けても、肌のかゆみや赤い点といった変化が長く残る場合は、皮膚科を受診してください。