布団の天日干しと日光でダニは死ぬのか
外干しのときの向きと置き方
外干しは、布団の両面へ順に日を当てる置き方が基本です。ただし、向きを工夫してもダニがまとめて死ぬとは限りません。日の当たる表面は、条件がよければ50度近くまで温まることがあります。一方で、ダニは熱を嫌い、涼しい内側の面へと移動していくのです。布団の内部は30度台にとどまることが多く、ダニが弱る温度には届きません。途中で裏返しても、ダニは反対側へ移り、逃げ場は残り続けると考えられます。
だからといって、外干しが無意味だと考えるのは早いです。日に当てて風を通すと、布団にこもった湿気が抜けていきます。ダニは湿った場所で数を増やしやすいため、乾いた布団は増えにくい環境になるのです。つまり天日干しの役割は、ダニを殺すことではなく、増えにくい状態を保つことにあります。梅雨どきにじめついた布団も、半日ほど干すと手触りが軽くなるはずです。
干す時間は午前10時から午後2時ごろを目安にし、片面1時間ずつ当ててください。干す以外の手当ては、寝具の手入れ全体でも取り上げています。取り込む前に表面のほこりを払っておくと、そのあとの手当てが進めやすいでしょう。
黒い布をかける方法の狙い
黒い布をかけるのは、日光の熱をより多く集めるためです。黒い色は光を吸収しやすく、白い生地よりも表面の温度が上がりやすくなります。そのため、黒いごみ袋や黒い布を布団にかぶせる方法が知られているのです。
ただし、表面が熱くなっても、その熱が中まで十分に伝わるとはかぎりません。布団は綿や羽毛が空気を多く含み、熱を通しにくい性質を持ちます。そのため内部の温度は表面ほど上がらず、ダニが逃げ込む余地が残るのです。日の低い冬場に短い時間だけ干した場合は、表面の温度自体が上がりきらないこともあります。黒い布をかければ駆除できる、という言い切った説明には注意してください。
温度が上がりやすくなるのは確かでも、中まで届くかは布団の厚みや天気しだいです。どの温度でダニが弱るのかは、ダニの死滅温度と湿度、ダニが死ぬ温度と環境の条件で詳しく説明しています。黒い布を使うなら、生地が傷まないよう直接触れる時間を短めにしてください。熱で色があせる素材もありますので、色柄の布団には向かない場合もあります。
干したあとに叩かないほうがよい理由
干したあとに布団を叩く必要はありません。叩いて出てくるのは表面のほこりが中心で、死骸やフンは繊維の奥に残ります。強く叩くと中綿がちぎれ、細かいくずが増えるとされているのです。くずが増えると、アレルギーの原因となる小さな粒も舞い上がりやすくなります。ベランダで大きな音を立てて叩くと、粒が周囲へ散らばることもあるのです。
取り込んだあとは、叩く代わりに掃除機をかけてください。表面をゆっくり動かして吸うと、繊維の間に残ったものを取り除きやすいのです。当て方は、1平方メートルにつき20秒ほど時間をかける目安が知られています。急いで往復させるより、ゆっくり進めたほうが吸い込みやすいのです。
干して湿気を抜き、そのあと掃除機で取り除く順番が、天日干しを生かす道になります。表面のほこりだけを落としたいなら、手のひらで軽くなでる程度で足りるでしょう。カバーは洗濯機で洗い、週に1回ほど取り替えると、ほこりがたまりにくくなります。
干せない日にどうするか
干せない日は、室内で風を通して湿気を逃がす方法が現実的です。梅雨や花粉の時期には、外に出せない日が何日も続くこともあります。布団を敷いたままにせず、半分に折って立てかけるだけでも、下に風が通るのです。椅子の背もたれに掛けて、扇風機の風を1時間ほど当てる方法も使えます。除湿機やエアコンの除湿運転をあわせると、部屋の湿気そのものが下がるはずです。
室内で乾かした場合も、そのあとに掃除機をかける手順は変わりません。熱を使って中まで温めたいときは、布団乾燥機という選択肢もあります。かける時間や冷ますまでの間隔は機種によって差があり、説明書の指示が目安です。何分かければよいかは、布団乾燥機にかける時間の目安で説明しています。
天気が戻らない日は、湿度計を置いて数値を見ながら換気の回数を決めるとよいでしょう。寝室の窓を朝と晩に5分ずつ開けるだけでも、こもった空気は入れ替わります。