ダニのたまごと寿命。卵から成虫までの育ち方
ダニの卵の大きさと、一度に産む数
ダニの卵の大きさは0.1ミリ前後とされ、肉眼で確かめるのは難しいと言われています。成虫でも1ミリに満たない体ですから、その卵はさらに小さいわけです。1度に産む数は種類によって差がありますが、チリダニでは生涯に50個から100個ほどという報告があります。1日あたりに直せば、2個から3個という計算です。
数字だけを並べると多く感じられるかもしれません。ただし、産みつけられた卵がそのまますべて育つわけではないのです。温度や湿度、餌の条件が合わなければ、途中で数は減っていきます。逆に条件がそろった時期には、産卵の間隔が短くなるとも言われているのです。
もうひとつ知っておきたいのが、卵には熱も薬剤も届きにくいという点になります。卵の外側が守りとして働くため、成虫には通じる方法でも卵には及びにくいとされているのです。布団を1度手入れしただけで落ち着いた気がしにくいのは、この性質が関係しています。残った卵があとからかえるので、日をあけて繰り返す手入れに意味が出てくるのです。屋内で暮らすダニの全体像は、ダニとはどんな生き物か。屋内で暮らすダニの基本でも取り上げています。数の多さよりも、卵が残りやすいという性質のほうを覚えておいてください。
ダニの幼虫と脱皮。抜け殻が残るしくみ
卵からかえったダニは幼虫と呼ばれ、脱皮を繰り返しながら成虫へ近づいていきます。幼虫の足は6本で、脱皮を経ると8本になるのが一般的な流れです。幼虫のあとには若虫と呼ばれる段階があり、そこからさらに成虫へと進みます。途中の脱皮は2回から3回とされ、この間に体の作りが少しずつ変わっていくのです。
脱皮のたびに抜け殻が残ります。抜け殻は生きた体ではなく、砕けて粉のようになり、寝具やカーペットの奥にたまっていくのです。大きさは目で追えるものではありませんから、見た目だけで量を判断できません。敷きっぱなしの布団を持ち上げても、抜け殻そのものを見つけるのは難しいでしょう。
この抜け殻や脱皮のあとは、日ごろの掃除で少しずつ取り除く考え方になります。週に1度、布団の表面へ掃除機をゆっくりあてる習慣が助けになるのです。1平方メートルあたり20秒ほどかける方法がよく紹介されています。急いで往復させると、繊維の奥にあるものは吸い出しにくいのです。
ダニはどうやって生まれるのか
ダニは卵を産んで増える生き物で、メスが産みつけた卵から新しい世代がかえります。哺乳類のように、親の体の中で育ってから生まれるわけではないのです。産卵の場所は、餌と湿り気がそろったところへ偏ると考えられています。寝具の縫い目やカーペットの根元、ソファのすき間などが選ばれやすい場所です。
卵は表面ではなく、繊維の奥へ産みつけられることが多いと言われています。シーツを軽く払っただけでは届きにくいのは、このためです。かえるまでの日数は温度に左右され、暖かい時期ほど短くなる傾向があるという報告もあります。梅雨から夏にかけて数が目立ちやすいのは、この条件と重なるからです。
種類によっては、相手がいなくても卵を産む例が知られています。1匹残っただけで数が戻ることもあり、手入れを1度で終わらせない理由になるのです。産みつけられやすい場所を、掃除の順番を決めるときの手がかりにしてください。住まいの中でどこに多いのかは、ダニはどこにいるのか。住まいの中で多い場所で詳しく扱っています。産卵の場所と掃除の場所を重ねて考えると、同じ手間でも結果が変わってくるのです。
ダニの寿命と、数が増えるまでの日数
チリダニの寿命は2か月から3か月ほどとされています。卵から成虫になるまでの期間は、条件がそろえば2週間から4週間ほどという報告が多いのです。メスは成虫になってから1か月以上にわたり、少しずつ卵を産み続けると言われています。つまり、親の世代から次の世代が出そろうまでに、およそ1か月の間があるという計算です。
この1か月という区切りが、手入れの間隔を考えるときの手がかりになります。月に1度だけ布団を干す場合、次の世代が育つ時間とちょうど重なってしまうのです。週に1度の掃除機がけと、晴れた日の陰干しを組み合わせてみてください。増える速さの手前で数を抑えやすくなります。
寿命が尽きても、体が住まいから消えるわけではないのです。死骸は細かくなって寝具やほこりの中に残ります。生きているダニの数だけでは、住まいの状態を判断できないのです。増えやすい条件そのものについては、ダニが発生する原因。増えるきっかけと住まいの条件で取り上げています。世代が入れ替わる長さを頭に置けば、手入れの間隔に迷いにくくなるでしょう。
ダニのフンがたまるしくみと、餌になっているもの
ダニのフンは体よりさらに小さく、1匹が生涯に出す数は数百個にのぼるとされています。体の大きさに対して数が多いため、寝具の内部へ少しずつたまっていくのです。餌になっているのは、人のフケやあか、髪の毛、それに食べこぼしといったものになります。1晩眠るあいだに落ちるフケやあかは、ダニにとって十分な量なのです。
台所まわりでは、粉ものや乾物のこぼれも餌になると言われています。小麦粉や砂糖を袋のまま棚に置いておくと、コナダニが集まりやすくなるのです。開封したあとは密閉できる容器へ移し、冷蔵庫で保管する方法が向いています。餌を減らす工夫は、そのまま数を抑える工夫にもつながるのです。
たまったフンや死骸は、時間がたつと砕けてほこりに混じります。これがアレルギーの原因物質として知られているものです。掃除機をゆっくりかければ、寝具の表面近くにあるフンは吸い取りやすくなります。シーツを週に1度洗うだけでも、餌とフンの両方を減らせるでしょう。くしゃみや鼻の症状が続くときは、自己判断をせず医師に相談してみてください。