ダニとはどんな生き物か。屋内で暮らすダニの基本
昆虫との違いは足の数。ダニはクモの仲間です
ダニは昆虫ではありません。足の数が8本あり、昆虫の6本とは違うのです。同じ8本足の仲間には、クモやサソリが並びます。ダニは蜘蛛にごく近い間柄の、小さな生き物なのです。
クモとの違いは、体の分かれ方にあらわれます。クモは頭胸部と腹部が、細いくびれで分かれた形です。一方のダニは境目が目立たず、全体がひと続きの粒のように見えます。触角もはねも持たない点が、昆虫との大きな差になるのです。
日常の会話でダニを虫と呼ぶことは、間違いとまでは言えません。虫という言葉は、小さな生き物を広く指す形で使われてきました。ただし生物の分け方では、昆虫の枠には入らないのです。ふだん目にするアリやゴキブリとは、系統がはっきり異なります。
この違いは、暮らしの対策にもかかわってくるでしょう。昆虫を想定した殺虫剤が、ダニへ同じように働くとは限らないためです。布団や畳の手入れで製品を選ぶときは、ダニへの表示があるかどうかを確かめてください。足が8本という点は、正体を見分ける最初の手がかりになります。
ダニの分類。何類に入るのかを整理します
ダニが属するのは、クモ綱と呼ばれる分類です。何類に入るのかと問われれば、クモ類の一員と答えるのが正確になります。節足動物という大きなくくりの中で、昆虫綱とは別の枝に置かれているのです。これまでに知られたダニは、4万種とも5万種以上とも言われるほど多い仲間になります。
クモ綱の中では、ダニ目という集まりに整理されるのです。この目の下に細かい科や属が並び、暮らしぶりは大きく分かれます。土の中で落ち葉を分解するもの、家のほこりで育つものと、生き方は様々なのです。同じダニという名でも、性質がそろっているとは限りません。
屋内で見かける種類は、屋内で多い3つのダニの種類と見分け方で扱っています。住まいで困りごとにつながるのは、その中のごく一部です。
ダニの特徴と体の形
ダニの体は、頭と胴が一つにまとまった丸い形をしています。胴から8本の足が伸び、全体としては米粒よりずっと小さい姿です。屋内で多いチリダニなら、体長は0.3ミリほどにとどまります。1ミリに満たない大きさのため、畳や布団の上にいても気づきにくいのです。
体の色は乳白色から淡い褐色で、光沢のある種類も見られます。表面にはこまかな毛が生え、周りの様子を感じ取る役目を担うとされるのです。目にあたる器官はほとんど発達しておらず、温度や湿り気、においを手がかりに動きます。人の体から出る熱や湿り気に寄ってくる性質があるのです。
この特徴を知ると、寝具に集まりやすい理由も見えてきます。肉眼で確かめられるかどうかは種類と条件によって変わりますので、ダニの大きさと肉眼で確かめられる範囲もご覧ください。
ダニはどこにでもいる生き物です。1匹いたらどう考えるか
ダニはどこにでもいる生き物です。土の中、水辺、家の中と、地球上のほとんどの場所で暮らしています。家の中に限っても、寝具や布張りのソファ、カーペットに広く分布するのです。まったくダニのいない住まいをつくるのは、現実には難しいと言われます。
1匹見つけたときに考えたいのは、周りにも仲間がいる可能性です。ダニはとても小さく、1匹だけで生活していることはまれになります。たとえば寝具からは、1平方メートルあたり数千匹の単位で確認された報告もあるのです。見えた1匹は、その一部が表に出てきたものと考えると分かりやすいでしょう。
ただし1匹いたからといって、住まいが不衛生だとは言えません。ダニは人のフケや髪、食べこぼしなど、日常的に出るものを食べて育ちます。掃除の回数にかかわらず、温度と湿度の条件がそろえば数は増えるのです。目指したいのは、ゼロにすることよりも数を抑えることになります。
どこに多いのかが分かれば、手を入れる場所を絞り込めるでしょう。多い場所については、ダニが住まいの中で多い場所にまとめました。
ダニが絶滅したらどうなるのか
ダニが絶滅したら、自然の仕組みが大きく崩れると考えられています。土の中のダニは、落ち葉や動物の死がいを細かく分解する役目を担うのです。1平方メートルの森の土に、数万匹が暮らすという報告もあります。その働きが失われれば、土がやせて植物の育ちにも影響が及ぶでしょう。
屋内で困るダニも、家の外では分解や食物連鎖の一部を占めています。嫌われがちな存在ですが、地球全体で見れば役に立つ側面が大きいのです。そのため対策の目的は、種類を絶やすことではありません。暮らしの場から数を減らし、人との距離を保つことが現実的な目標になります。
布団や畳という限られた場所で、増えすぎない状態を保てば十分です。ダニがこれほど広く生き残ってきた背景には、短い間に世代を重ねる力があります。育ち方の詳しい流れは、卵から成虫までの育ち方と寿命でご確認ください。
ダニが人にもたらす害と、毒を持つかどうか
ダニが人にもたらす害は、刺されることとアレルギーの原因になることの二つに分かれます。屋内のダニのうち、人を刺すのはツメダニなど一部にとどまるのです。数の多いチリダニは人を刺さず、ふんや死がいがアレルギーのもとになります。布団を干した日にくしゃみが出るという経験は、こうしたほこりが関係する場合があるのです。
毒については、屋内のダニが人へ注ぐような強い毒は知られていません。ツメダニに刺されると赤みやかゆみが出ますが、これは体液による刺激と考えられています。毒グモのように、注入された毒で全身に強い影響が出るという話ではないのです。この点は誤解されやすいので、覚えておくとよいでしょう。
刺された跡は、脇腹や太ももなど皮膚の柔らかい部分に出やすいとされています。跡の特徴と気づくきっかけは、ダニに刺された跡の見分け方でまとめました。かゆみが長引く場合や腫れが広がる場合は、自己判断を避けて皮膚科を受診してください。
ダニを漢字で書くと壁蝨。読み方と中国語での呼び名
ダニは漢字で壁蝨と書き、そのまま「だに」と読みます。壁の虫という字の並びから、住まいに潜む生き物という見方が伝わってくるのです。蝨という字は単独でシラミを指し、小さな寄生する虫に長く使われてきました。読み方を問われて戸惑う方が多いのも、日常でほとんど見かけない字だからです。
中国語では、屋内のダニを塵螨と表す言い方が使われます。螨の一文字がダニ全般を指し、塵はほこりを意味するのです。ほこりの中のダニという組み立てで、性質がそのまま名前に表れています。日本語のチリダニという呼び名と、発想がよく似ているのです。
名前の由来を知ると、ダニがどこで暮らす生き物かが頭に残りやすくなります。壁蝨という字面から、屋外の草むらを思い浮かべる方もいるかもしれません。本サイトで取り上げるのは、家の中で増えるダニになります。読み方と成り立ちを知っておくと、資料を読むときの迷いが減るでしょう。
屋内で見つかる3種類のダニと、この記事で扱う範囲
屋内で見つかるダニは、チリダニ、ツメダニ、コナダニの3種類が中心です。なかでも数が多いのはチリダニで、家の中のダニの7割から9割を占めるとされます。寝具やカーペットに住み、人のフケやあかを食べて育つ種類なのです。人を刺すことはなく、ふんや死がいがほこりにまじる点が問題になります。
ツメダニは、ほかの小さなダニなどを捕まえて食べる種類です。まれに人の皮膚に触れ、かゆみを起こすことがあるとされます。コナダニは、小麦粉やお好み焼き粉といった食品や、畳で増えるダニなのです。梅雨どきに粉ものを常温で置いていると、数が増えやすいと知られています。
屋外の草むらにひそむダニは、性質も向き合い方もまったく別の話です。本サイトで取り上げるのは、住まいの中で人と近い距離にいるこの3種類になります。掃除や洗濯、乾燥といった日々の手入れで、数を抑えていける相手なのです。具体的な進め方は、家庭でできるダニ駆除の基本にまとめています。