空気清浄機でダニは減るのか。空気とほこりの関係
空気清浄機が拾えるものと拾えないもの
空気清浄機は、ダニそのものの数を減らす機械ではありません。ダニは空気の中を漂って生きてはいないのです。布団の綿、じゅうたんの毛足、畳の目といった繊維につかまって過ごしています。えさは人のフケや皮膚のかけらで、繊維の奥が居場所です。吸い込む力が届く範囲は部屋の空気までで、繊維の内側には入りません。奥にひそむダニを吸い出す力は、据え置きの機械にはないのです。
では置く意味がないのかというと、そう考えるのは早いでしょう。この機械が拾えるものは、はっきりとあります。ダニの死骸やフンが砕けた細かい粒は、空気中に舞い上がるのです。その粒はアレルギーの原因物質、つまり体が過敏に反応するもとになると言われています。空気清浄機がとらえているのは、この舞い上がった粒のほうなのです。
ですから役目は、ダニ退治ではありません。原因物質が空気に漂う時間を短くすること、それがこの機械の受け持ちです。アレルギーの症状が気になる方にとっては、意味のある使い方ができます。体に起きることはダニアレルギーで起きることに詳しくまとめました。ここでは空気とほこりという一点に絞ります。
死骸やフンが舞い上がるしくみ
死骸やフンが空気中へ舞い上がるきっかけは、人の動きです。ダニ本体が部屋を飛び回っているのではありません。人が動かない部屋では、細かい粒は布や床の上に落ち着いています。そこへ足音や風が届くと、粒はふたたび宙へ舞い上がるのです。つまり舞い上がりは、暮らしの中の動作と結びついています。
分かりやすいのは、朝に布団を上げ下げする場面でしょう。布をはらう動きで、繊維の間にたまっていた粒が一度に持ち上がります。ソファに腰を下ろしたときに細かいほこりが立つのも、同じ理屈です。掃除機をかけている最中にも、排気とブラシの動きで粒が舞います。
粒の大きさによって、床へ落ちるまでの時間は変わるようです。大きめの粒は数分で戻り、細かい粒は30分以上も漂うという報告があります。この漂っている間だけが、空気清浄機の出番になるのでしょう。粒が床に落ちてしまえば、あとは掃除機や拭き掃除の受け持ちです。空気の側と、床や布の側で担当が分かれていると考えると、整理しやすくなります。
換気と組み合わせる使い方
空気清浄機は、置き場所と動かす時間で働きが変わるのです。床から近い高さに置くほうが、舞い上がった粒を拾いやすくなります。細かい粒は宙をただよったあと、やがて下へ降りてくるからでしょう。棚の上や背の高い家具の上では、吸い込み口が粒の通り道から外れてしまいます。床置きにして、吸い込み口の前をふさがない配置が扱いやすい形です。
動かす時間は、掃除機をかけている最中と、かけ終えたあとが向いています。掃除の動作そのものが粒を舞い上げるため、そこに合わせると拾える量が増えるからです。掃除のあとも15分から30分ほど強めに動かしておくと、空気の落ち着きが早まります。反対に、誰もいない部屋で一日中回していても、拾える粒は多くありません。
換気とは役割が違いますので、順番を決めると無駄が減るでしょう。窓を開けている間は外の空気が入れ替わるため、機械は弱めで足ります。窓を閉めたあとに強めて回すと、残った粒を集めやすい流れになるのです。フィルターの手入れを忘れると、吸い込む力そのものが落ちていきます。月に1回ほど前面のほこりを払う程度でも、働きの落ち方は違ってくるのです。部屋ごとの考え方は住まい全体でダニを減らす考え方にまとめてあります。この見出しでは空気の流れという面に絞りました。
加湿しすぎに気をつける
加湿の機能を使うときは、湿度の上げすぎに気をつけてください。ダニは湿り気の多い場所で数を増やしやすい生き物です。空気清浄機と加湿器が一体になった機種では、乾燥を嫌って強めに加湿しがちになります。のどの乾燥を防ぐつもりが、ダニにとって過ごしやすい部屋に近づくこともあるのです。
湿度計を1つ置いて、数字を見ながら加湿の強さを決めてください。洗濯物を部屋干しした日は、加湿を止めても空気は十分に潤っているものです。冬の朝に窓が曇っているなら、その部屋は湿りすぎている合図でしょう。加湿を弱めるだけで、寝室の空気の重さが変わってくるのです。どの数字を目安にすればよいかは、ダニが死ぬ温度と環境の条件で扱っています。
加湿の水を入れたタンクも、週に1回ほどは洗ってください。水がよどむと、ほこりや汚れがたまりやすい状態になります。加湿を控えても、くしゃみや鼻づまりが長く続くことがあるでしょう。その場合は空気の管理だけで判断せず、医師に相談してみてください。空気清浄機は、湿度を含めた部屋の条件と合わせて使う道具なのです。