ダニに噛まれやすい体の部位。指や脇の下に出る理由
手のひらや手首に出るとき
手のひらは、屋内のダニに刺されにくい部位です。皮膚が厚く、表面の角質という層がしっかりしているためと説明されています。ツメダニの口は細く、厚い皮膚には届きにくいのです。屋内のダニのうち、人を刺すことがあるのはツメダニという種類になります。他の小さな虫を餌にしており、人を刺すのは行き当たりばったりの出来事です。
実際に赤みが出やすいのは、手首の内側や二の腕の内側といった、皮膚のやわらかい場所でしょう。手のひらの荒れやかゆみを、すぐにダニと結びつけるのは早いです。水仕事や洗剤、冬の乾燥でも似たような荒れが起こります。
手首は、袖口との境目にあたる部分です。ソファで横になってうたた寝をしたとき、袖がずれて手首だけが布に触れていることがあります。その接触の差が、手首に赤みが寄る理由の一つなのです。手の甲の赤みについては、ダニに刺されて腕や背中、手の甲に出る赤みで詳しく書いています。ここでは、同じ手のどこで差が生まれるのかに絞ってお伝えしました。
指先がかゆくなるとき
指先のかゆみだけで、原因をダニと決めることはできません。指先は物をつかむ場所であり、皮膚が厚くできています。赤みが出るとすれば、指の間や指の付け根など、皮膚の薄い部分でしょう。指の間は汗がこもりやすく、皮膚もやわらかく保たれています。つまり、同じ手でも場所によって条件がまるで違うのです。
台所で粉物を扱う家庭には、別の道筋もあります。小麦粉やお好み焼き粉に発生するコナダニは、人を刺しません。ただ、そのコナダニを餌にするツメダニが増えることがあります。開封した粉物を密閉して冷蔵庫へ入れておくと、発生を抑えやすいのです。
指先のかゆみは、乾燥や洗剤による手荒れでも起こります。1日に何度も食器を洗う時期は、皮膚の油分が落ちて刺激に弱くなりがちでしょう。ダニがどんな生き物かは、家にいるダニの全体像にまとめました。指先は、刺され跡が集まる場所ではないという見方が一般的です。
1箇所だけの場合と、2つ3つ並ぶとき
跡が1箇所だけでも、2箇所や3箇所でも、ダニかどうかの判断材料にはなりません。ツメダニが人を刺すのは、餌となる小さな虫を追ううちに起きる偶然の出来事です。そのため、一度にたくさん刺されるとは限りません。朝起きて、お腹に1箇所だけ赤みを見つけるという形になりやすいのです。刺された覚えがないのに跡があるのは、眠っている間に起きるためでしょう。
数が2つや3つに増えるのは、体と寝具が触れていた場所が複数あったためと考えられます。寝返りを打てば、脇の下や太ももの内側が布団に押しつけられる時間も変わるのです。一列に並ぶかどうかで虫を見分けられると言われることもあります。しかし、並び方から特定の虫を確実に言い当てることはできません。
蚊やブヨなど、屋外の虫でも似た場所に跡が出ることがあります。数だけを手がかりにするのは、やはり心もとないところです。跡の形や気づくきっかけについては、刺された跡をどう見分けるかで取り上げています。ここで押さえておきたいのは、数ではなく、体と寝具が触れる場所という条件のほうです。
ポツポツと出るときと、チクチクする感じの違い
ポツポツとプツプツは見た目の言い方で、チクチクは感じ方の言い方になります。3つを同じ物差しで並べると、話がかみ合わなくなるのです。赤みが点のように離れて出る様子を、多くの方はポツポツと表現します。プツプツは、1つ1つが小さく盛り上がって見えるときに使われる言葉です。どちらも呼び名の違いであり、虫の種類を分ける手がかりにはなりません。
チクチクという感覚は、ダニ以外の理由でも起こります。乾いた季節に毛布を出したとき、繊維が肌に当たって刺激になることもあるのです。ダニが皮膚の上を歩く感触を、はっきり感じ取れる人はほとんどいません。体の大きさが0.3ミリほどで、重さもごくわずかだからです。
布団に入るとチクチクするという訴えは、寝具にたまったほこりや繊維くずが関係している場合もあります。掃除機をかけたあとで感じ方が変わるなら、その線も考えられるでしょう。洗いたてのシーツで感じ方が和らぐなら、寝具側の要因が大きいと見ることもできます。感じ方を表す言葉は人によって幅があり、原因を絞る手がかりにはしにくいものです。
1歳前後の子どもがいる家庭で気をつける点
1歳前後の子どもは、大人と同じ場所を刺されても跡が目立ちやすくなります。皮膚が薄くやわらかく、かき壊しやすい年齢だからです。お腹や太ももの内側、二の腕の内側に赤みが集まりやすいと言われています。昼寝のときにおむつ1枚で過ごす時間があれば、そこがちょうど寝具と触れる場所です。汗ばんだ背中がシーツに張りついている時間も長くなります。
寝具の側で気づきにくいのは、昼寝用の布団やベビーマットです。大人の布団より小さく、干す機会も後回しになりやすいでしょう。カバーは週に1回を目安に洗い、よく乾かしてから使うと安心できます。ぬいぐるみも同じで、洗える表示のあるものは定期的に洗うのが基本です。洗えないものは、掃除機のノズルで表面をゆっくり吸うという手もあります。
爪を短く整えておくのも、かき壊しを減らす助けです。それでも赤みが広がるときや、かゆみで眠れない様子があるときは、小児科か皮膚科で相談してください。子どもは自分でかゆみをうまく言葉にできないため、大人が様子を見ておくことが支えになるのです。